【髪の毛の基礎知識】
役割、構造、生える仕組み
突然ですが、髪の毛が何のために生えているのかご存じでしょうか?
私たちの髪の毛は、
- 衝撃や太陽光から頭を守る
- 体温調節
など、いくつかの理由があって生えているのです。
髪が薄くなり悩むようになると「そもそも髪の毛は何故生えているのだろう?」と考えたりもしますよね。もともと髪がなければ、悩みもないわけですから、このような思考は自然なものだと思います。
当ページでは、
- 髪が何のために生えているか
- どのような構造で髪が作られているのか
- どのように生えたり抜けたりするのか
などの髪の毛の基礎知識をわかりやすく解説しています。はげの予防や対策に役立つ情報もあるかと思いますので、是非参考にしてください。
髪の毛にはどんな役割があるの?
ハゲてしまうと髪の毛について考えない日はないのですが、髪がフサフサの人は、何故頭にこんなにも毛が密集して生えているか考えたことがないかもしれません。
もちろん髪の毛はただ生えているのではなく、進化の過程でなくならなかった理由があります。
クッションの役割
頭にはわたしたち人間にとって、最も大切な器官である「脳」があります。
行動や生命活動すべての中枢である脳を守るために骨で覆うとともに、髪の毛で守られています。
髪の毛の表面にあるキューティクルは、バリアーの役割をもっていて、髪の毛自体を外部の刺激から守っています。キューティクルによって固められた髪の毛は、1本1本は弱くても、密集するとすごい強度になります。そのため、クッションとして脳を守る役割があると考えることができます。
保温の役割
髪の毛は、毛と毛の間に空気の層ができますので、暑い日は直射日光から頭を守り、気温が低い時には頭部を寒さから守るという保温の役割をします。
気温の変化から脳を守るという大切な役割を担っているのです。
老廃物を排出
犯罪捜査で髪の毛から毒物を特定できるとご存じの方も多いと思います。
それは、体内で消化できなかった老廃物や、体に取り込まれた有害物質が血液に溶け込み、髪の毛から体外に排出されているからなのです。
わたしたちは鍋や缶から解けたアルミニウムや、農作物に使われた農薬など、日常生活で無意識のうちに体に有害物質を取り込んでしまっています。
このような有害な物質は、健康を損ねる原因ですので汗や毛によって体の外に排出されているのです。
髪の毛の役割 まとめ
髪の毛が、大切な脳を守る役割を担うことがわかりましたが、ハゲている人からすると納得がいかないですよね。
「はげ=病気」とも言われていますので、納得はいきませんが病気と考えると放置することもできません。でも、「ヤバい!」と、焦って手当たり次第対策を始めないでください。
自分で毛が抜けてしまう原因を作っているということに気が付かないで毎日を過ごしている方が多いのも事実なのです。
まずは、自分のはげの原因を知り一つ一つ改善していくことを心がけましょう。
髪の毛の構造を知ろう!
髪の毛は、タンパク質、水分、メラニン色素、脂質、微量元素などで構成されています。
中でも一番多くを占めるのがタンパク質で、髪全体のおよそ8~9割が18種類のアミノ酸が結合してできた「ケラチンタンパク」と呼ばれるタンパク質で構成されています。
髪の毛は3層構造
髪の毛の太さは0.05mm~0.15mmと細いので、1本の細い糸状に見えますが、実は「キューティクル」「コルテックス」「メデュラ」の3層で構成されています。
毛髪が太い人や細い人、ストレートや天然パーマなど、髪の毛は人によって太さや毛質が全然違いますが、これには毛髪を構成する3層が関係しています。
キューティクル(毛表皮)
キューティクル(Cuticle)とは、毛髪の表皮に存在する、無色透明のウロコ状の物質です。シャンプーのTVCMなどで耳なじみのある単語ですので、聞いたことがある人も多いと思います。
鉛筆でいうと、表面のコーティングされた部分にあたります。
キューティクル1枚の厚みは0.5~1μm(1μm=0.001mm)で、毛髪の外周の約半分程度の幅があります。それが数枚重なり合って毛髪を包み込むことで、外的刺激や、科学的な刺激から毛を守っています。
キューティクルの枚数には3枚~10枚個人差があり、髪の毛の太さに関係しています。重なり合うキューティクル同士は、CMC(細胞膜複合体)と呼ばれる脂質によって接着されており、それらをまとめて「キューティクル領域」と呼んでいます。
コルテックス(毛皮質)
コルテックス(Cortex)は、メラニン色素や水分を含むマクロフィブリルといわれる繊維状の細胞が数個~数十個集まり構成されています。
鉛筆でいうと、芯の周りにある木の部分にあたります。
コルテックス1つ1つはとても小さく、直径はわずか0.1mmで、毛髪の中間層に比較的規則正しく並んでおり、キューティクルと同じくCMCによって接着されています。
コルテックスとCMCによって構成された領域をコルテックス領域と呼び、毛全体の約80パーセント以上を占め、髪の強度や、色、水分保持力などを決定しています。
メデュラ(毛髄質)
メデュラ(Medulla)は毛髪の中心部分にあり、柔らかいケラチンからできています。
鉛筆にたとえると、芯の部分にあたります。
その構造は、籠(かご)のような形をした細胞がいくつも積み重なって、蜂の巣のような作りになっています。すべての毛に存在するわけではなく、産毛や軟毛などには存在しません。
メデュラは髪のコシやツヤなどに関係していると考えられていますが、単独での役割は現在もはっきりとは解明されていません。
髪の毛の構造 まとめ
キューティクルや、コルテックスが髪の太さや強度などに関係しているなら、はげにも関係していると言えますね。
頭皮環境によって、丈夫な髪が育つか否かに分かれますので、頭皮環境を左右健康で規則正しい生活がどれだけ大切かということがよく分かりますね。
髪の毛が生えたり抜けたりする仕組みは?
私たちの髪の毛は、自然に生えたり抜けたりを繰り返していますが、ちゃんと生えたり抜けたりするメカニズムがあります。
毛乳頭と毛母細胞
「毛乳頭」という言葉を聞いたことある人は多いと思います。
ハゲを気にするようになったり、意識するようになると、髪の毛に関係する情報に敏感に反応してしまいますよね。そのため、育毛剤などのCMで頻繁に使われる「毛乳頭」という言葉を覚えている人も多いのではないでしょうか。
そして、この毛乳頭を取り巻くように存在する毛母細胞。(※右図参照)
これら「毛乳頭」と「毛母細胞」が発毛に大きく関係しているのです。
毛母細胞は、毛乳頭から栄養や酸素を受け取り、それを養分として頻繁に細胞分裂することで髪の毛となって成長していきます。そして毛乳頭に栄養を届けるのが血液です。(※下図参照)
つまり、毛母細胞の活性化に成功すれば、髪の毛が生えてくるのです。そのために、頭皮の血液の流れをよくして、毛乳頭に栄養を与えることが重要なポイントになってきます。
「血行を促進して、毛乳頭を刺激!毛母細胞活性化しよう!」
など、よく耳にするフレーズはこういった髪の毛のメカニズムを元に作られているのです。
ヘアサイクル
髪の毛には成長期、休止期、退行期というサイクルがあり、毛母細胞の細胞分裂の頻度が違います。成長期には毛母細胞が活性化しているため、髪の毛がぐんぐん成長します。そして休止期になると成長は止まり、退行期に抜け落ちます。
退行期のあとに再び成長期に入り新しく毛が生えるわけですが、毛乳頭に充分な栄養が運ばれなければ、毛母細胞が活発に髪の毛を作ることが出来なくなります。そうなると、ヘアサイクルが乱れてしまい、まだ育っていない毛が抜けてしまいます。充分に成長する前に抜けるわけですから当然髪の毛の量は減っていきます。
髪の毛が生える仕組み まとめ
ここで少し話がそれますが、永久脱毛をご存知でしょうか。無駄毛の毛母細胞をレーザーや、光の力で破壊するという方法なので、ハゲの対策とは真逆の行為になります。永久脱毛する場合、フラッシュやレーザーでも通常5,6回の施術が必要なのです。
つまり、毛母細胞は簡単に死ぬものではありません。
毛母細胞は強い!あきらめないでください!
禿げている方も、毛母細胞はしっかりと生きている場合が多いのです。あきらめずに対策を続けることで、毛が薄い部分の毛母細胞が活性化されて、毛が再生を始め、はげが改善される可能性が高いということを忘れないでほしいのです。
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